コンビニ店員が見た深夜のラバーカップ探索者
私は深夜のコンビニでアルバイトをしているのですが、月に数回、決まって深夜の時間帯に血相を変えて店に入ってくるお客様がいらっしゃいます。彼らは店内に入るなり、買い物カゴも持たずに日用品コーナーへ一直線に向かい、棚を上から下まで必死の形相で探し回りますが、その視線の先にあるものを私は知っています。彼らが探しているのはトイレの詰まりを直すための「ラバーカップ」であり、残念ながら当店には置いていないため、彼らは肩を落とし、諦めきれない様子でレジに来て「あの、トイレのスッポンって置いてないですか?」と聞いてくるのです。その時の彼らの表情は、焦りと恥ずかしさと絶望が入り混じった何とも言えないもので、申し訳ない気持ちになりながら「すみません、置いてないんです」と伝えると、彼らは力なく店を出て行きます。中には「他に売ってそうな場所知りませんか?」と縋るように聞いてくる方もいますが、深夜2時に開いている店など限られており、ドン・キホーテが近くになければお手上げ状態です。ある時、あまりにも困り果てていたお客様には、個人的に知っていたビニール袋を使った代用方法をこっそり教えたことがありますが、後日そのお客様が来店されて「助かりました!」とお礼を言われた時は、マニュアルにはない接客ができたと嬉しくなりました。コンビニは便利ですが、こうした緊急事態に対応できる商品は意外と少なく、お客様の困り顔を見るたびに、ラバーカップの一つくらい在庫に置いておけばいいのにと思わずにはいられませんが、本部の方針や棚のスペースの問題もあり、なかなか実現しないのが現状のようです。