共働きで二人の幼い子供を育てる田中さん夫妻にとって、対面キッチンは日々の暮らしに欠かせない存在となっている。以前住んでいたアパートのキッチンは壁付けタイプで、母親の恵さんが料理をしている間、子供たちはリビングで遊んでいた。しかし、壁一枚隔てているだけで、子供たちの様子は分からず、時折聞こえる声に耳をそばだてる日々だったという。「料理中に子供が何か危ないことをしていないか、兄弟喧嘩をしていないか、いつも気がかりでした」と恵さんは振り返る。そんな悩みを解消したのが、新築マンションで選んだ対面キッチンだった。キッチンに立ちながら、リビングやダイニングで遊んだり、勉強したりする子供たちの姿が自然と視界に入る。料理の手を止めることなく、「こら、危ないよ」「宿題終わった?」などと声をかけることができるようになった。「子供たちの様子が分かるだけで、こんなに安心して料理に集中できるなんて」と恵さんは笑顔で語る。対面キッチンは、家族のコミュニケーションにも良い影響を与えている。父親の健一さんも、以前よりキッチンに立つ時間が増えた。カウンター越しに恵さんと会話をしながら、子供たちの相手をしたり、簡単な食事の準備を手伝ったりする。週末には、子供たちもカウンターに集まり、一緒にお菓子作りを楽しむこともあるという。「キッチンが、家族みんなが集まる場所になった気がします」と健一さん。子供たちにとっても、母親や父親が料理をする姿を間近で見られることは、食への関心を高めるきっかけにもなっているようだ。カウンター越しに「今日のご飯なあに?」と尋ねたり、自分から「お手伝いする!」と言い出したりすることも増えたという。もちろん、リビングからキッチンが丸見えになるため、常に整理整頓を意識する必要はある。それでも、子供たちの安全を見守り、家族との繋がりを感じながら家事ができる対面キッチンのメリットは、子育て世代にとって計り知れないほど大きいと言えるだろう。田中さん一家のように、対面キッチンは、忙しい子育て世代の暮らしを豊かに、そして円滑にするための有効な選択肢となっている。
子育て世代に人気の対面キッチンのある暮らし