今回は、数多くの住宅設計を手掛けてきたインテリアデザイナーの佐藤さん(仮名)に、理想的な対面キッチンを実現するための秘訣についてお話を伺いました。「佐藤さん、対面キッチンを希望されるお客様は多いと思いますが、設計する上で最も重視されている点は何でしょうか?」佐藤さん「やはり、お客様のライフスタイルにいかにフィットさせるか、という点ですね。対面キッチンと一口に言っても、そのご家庭によって最適な形は全く異なります。例えば、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、リビングで遊ぶお子さんを見守りながら料理ができるよう、視線の抜けを特に意識します。また、ホームパーティーがお好きなお客様には、ゲストと一緒に料理を楽しめるよう、カウンターの広さやアイランド周りの動線をゆったりと確保するように提案します。」「お客様へのヒアリングでは、どのようなことを重点的に聞かれるのですか?」佐藤さん「普段の料理の仕方、キッチンに立つ頻度や時間帯、キッチンで料理以外に何をしたいか(例えば、簡単な食事、お子さんの勉強スペースなど)、収納したい物の量や種類、家電の種類と数などを詳しくお伺いします。意外と重要なのが、ゴミ箱の置き場所です。生活感が出やすい部分なので、どこにどのように置くかを最初に計画しておくことが、すっきりとしたキッチンを保つコツです。」「最近の対面キッチンのトレンドについてはいかがでしょうか?」佐藤さん「素材感にこだわる方が増えていますね。天然石やセラミックのカウンタートップ、木目調の面材など、質感の高い素材を取り入れることで、キッチン空間全体の質感が向上します。また、ダイニングテーブルとキッチンカウンターを一体化させるデザインも人気です。スペースを有効活用でき、配膳や片付けも楽になります。照明計画も重要で、手元を照らす機能的な照明に加え、空間を演出する間接照明などを組み合わせることで、より雰囲気の良いキッチンになります。」「最後に、対面キッチンを検討されている方へアドバイスをお願いします。」佐藤さん「対面キッチンは、LDK空間の主役にもなりうる存在です。だからこそ、デザイン性だけでなく、日々の使い勝手や動線、収納、掃除のしやすさなど、機能面もしっかりと検討することが大切です。ご自身の理想の暮らしを具体的にイメージし、専門家とよく相談しながら、後悔のないキッチン選びをしてください。
設計士が語る理想の対面キッチンの作り方