トイレのレバーハンドルには、いくつかの種類があり、その構造によって空回りの原因や対処法が若干異なる場合があります。代表的なタイプとその特徴、そして部品交換が必要になった際の選び方について解説します。最も一般的なのは、タンクの側面や前面に付いている「横付け・前付けタイプ」のレバーです。このタイプは、レバーを回す、または押し下げることで内部のアームが動き、チェーンを介してフロートバルブを引き上げます。空回りの原因としては、これまで説明してきたように、チェーン外れや切れ、レバーやアームの破損、フロートバルブの不具合などが考えられます。部品交換が必要な場合は、現在付いているレバーハンドルの形状(ハンドルの長さや角度など)や、タンクのメーカー・型番を確認し、適合するものを選ぶ必要があります。ホームセンターやインターネット通販で購入できますが、種類が豊富なので、迷った場合は店員や専門業者に相談するのが良いでしょう。次に、「大小一体型レバー」です。一つのレバーで大洗浄と小洗浄を使い分けるタイプで、レバーを回す方向や角度によって、フロートバルブの上がり具合や開いている時間を調整しています。構造がやや複雑なため、レバー内部の部品が摩耗したり破損したりして、大小どちらか、あるいは両方の洗浄ができなくなる(空回りする)ことがあります。このタイプのレバー交換は、汎用品が少ない場合もあり、純正品を取り寄せる必要があるかもしれません。メーカーや型番の特定がより重要になります。また、タンクの蓋の上にボタンが付いている「押しボタン式」もあります。これは厳密にはレバーではありませんが、ボタンを押しても水が流れない(空回りと同じような状態)場合は、ボタンからフロートバルブまでの伝達機構(ワイヤーやアームなど)に問題がある可能性があります。このタイプも、メーカーや型番に合った部品を探す必要があります。いずれのタイプのレバーやボタンであっても、交換部品を選ぶ際は、まず自宅のトイレのメーカー名と便器・タンクの型番を調べることから始めましょう。これらは通常、便器の側面やタンクの蓋の裏、タンク側面などにシールで表示されています。正確な情報を元に、適切な交換部品を選ぶことが、確実な修理への第一歩となります。