長年、壁に向かって黙々と料理をする昔ながらのキッチンに少し寂しさを感じていました。リビングにいる家族の楽しそうな声が聞こえてきても、自分だけが壁の向こう側。そんな状況を変えたくて、思い切ってリフォームで対面キッチンを導入することにしたのです。工事期間中は多少の不便もありましたが、新しいキッチンが完成した時の感動は今でも忘れられません。まず驚いたのは、その開放感です。以前は閉鎖的だったキッチンが、リビングダイニングと一体となり、視界が一気に広がりました。そして何より嬉しかったのが、家族との距離がぐっと縮まったことです。私がキッチンに立っていても、リビングで宿題をする子供の様子がよく見えますし、「今日学校どうだった?」なんて声をかけながら夕飯の支度ができるようになりました。夫も、以前よりキッチンに顔を出す回数が増え、自然と会話が生まれるようになりました。週末には、カウンター越しに夫と並んで料理をしたり、子供がお手伝いをしてくれたりすることも増え、キッチンが家族のコミュニケーションの中心になったような気がします。もちろん、良いことばかりではありません。リビングからキッチンが丸見えになるので、常に綺麗にしておかないと、というプレッシャーは少し感じます。洗い物が溜まっていると、ちょっと気まずいですね。油はねも心配していましたが、こまめに拭くことと、デザイン性の高いレンジフードを選んだことで、思ったほど気にならずに済んでいます。それでも、対面キッチンにして本当に良かったと心から思います。料理をする時間が、以前よりもずっと楽しく、温かいものになりました。キッチンは単に食事を作る場所ではなく、家族と繋がる大切な空間なのだと、改めて実感する毎日です。