マンションでユニットバスの交換を検討する場合、戸建て住宅とは異なるいくつかの注意点があり、それが費用にも影響してくることがあります。マンション特有の事情を理解しておくことで、スムーズなリフォーム計画と正確な費用把握が可能になります。まず、マンションでは管理規約によってリフォームに関するルールが定められています。工事可能な曜日や時間帯、搬入・搬出経路の指定、使用できる資材の制限(特に床材の遮音等級など)、そして管理組合への事前の届け出や承認が必要となる場合がほとんどです。これらの規約を確認せずに工事を進めると、後々トラブルになる可能性があるため、必ず事前に管理会社や管理組合に確認し、必要な手続きを行いましょう。手続きのための書類作成費用などが別途かかる場合もあります。次に、搬入・搬出経路の問題です。マンションの場合、エレベーターや共用廊下を使って新しいユニットバスの部材を搬入し、古いものを搬出する必要があります。エレベーターのサイズによっては大きな部材が一度に運べなかったり、養生作業に手間がかかったりするため、戸建てに比べて人件費や作業時間が多くかかり、結果的に工事費用が高くなる傾向があります。特に高層階の場合は、その影響が大きくなる可能性があります。また、梁(はり)や配管スペース(PS)の位置など、建物の構造的な制約も考慮する必要があります。既存の浴室スペースに梁が出っ張っている場合、設置できるユニットバスのサイズや形状が制限されたり、梁加工のための追加費用が発生したりすることがあります。配管の位置も、戸建てのように自由に変更することが難しいため、既存の配管位置に合わせてユニットバスを選んだり、接続のための追加工事が必要になったりする場合があります。費用面では、これらの制約や追加工事の可能性に加えて、近隣への配慮のための費用(挨拶状の作成費用や、場合によっては粗品の費用など)も考慮しておくと良いでしょう。工事中の騒音や振動は避けられないため、事前に近隣住民への丁寧な挨拶をしておくことが、トラブル防止につながります。これらの点を踏まえると、マンションのユニットバス交換費用は、同じサイズ・グレードのユニットバスであっても、戸建てに比べて総額で5万円から15万円程度高くなる可能性があると考えておくと良いかもしれません。
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