あれは忘れもしない、ある夏の日のことでした。いつものようにお風呂に入ろうとしたら、洗い場の水の流れが異常に悪いのです。最初は気のせいかと思いましたが、シャワーを使うとあっという間に足元に水が溜まり始め、まるで小さなプールのよう。これはただ事ではないと直感しました。恐る恐る排水溝の蓋を開けてみると、そこには言葉を失う光景が広がっていました。黒々とした、ぬめりのある塊。そう、長年見過ごしてきた結果、とんでもない量のヘドロが排水溝を占拠していたのです。その臭いたるや、筆舌に尽くしがたいものでした。もう見て見ぬふりはできません。私はゴム手袋とマスクで完全防備し、この強敵との戦いに挑むことを決意しました。まずは見える範囲の髪の毛や大きな塊を手で取り除こうとしましたが、これが想像以上に手強い。ヘドロは粘り気が強く、髪の毛と複雑に絡み合って、なかなか取れません。市販のパイプクリーナーを投入してみましたが、長年蓄積されたヘドロには歯が立たない様子。仕方なく、割り箸や古い歯ブラシを駆使して、物理的に掻き出す作戦に変更しました。掻き出しても掻き出しても、奥から次々と現れるヘドロの塊。その量と臭いに、何度も心が折れそうになりました。途中、あまりの気持ち悪さに休憩を挟みつつ、格闘すること約一時間。ようやく排水溝の奥が見え始め、水の流れも少しずつ改善してきました。最後に大量のお湯を流し込み、仕上げにもう一度パイプクリーナーを投入。翌朝、恐る恐るシャワーを使ってみると、水はスムーズに流れ、あの忌まわしい臭いも消え去っていました。このヘドロとの壮絶な戦いを通して、私は日々のこまめな掃除がいかに大切かを痛感しました。もう二度とあんな思いはしたくない。そう心に誓い、今では週に一度、排水溝のチェックと簡単な掃除を欠かさないようにしています。あの日の恐怖体験は、私にとって大きな教訓となったのです。
恐怖!我が家の排水溝ヘドロとの壮絶バトル