お湯は出るのに?深夜に水だけ出ない謎の原因とは
深夜、疲れて帰宅し、お風呂に入ろうとした時、奇妙な現象に遭遇することがあります。シャワーのレバーをお湯側にするとお湯は出るのに、水側にすると水が全く出ない。または、キッチンでお湯は使えるのに水は使えない。この「お湯は出るが水は出ない」という不可解なトラブルは、パニックに陥りやすいですが、原因を知れば冷静に対処できます。この現象を理解する鍵は、マンションの給水システムにあります。水道管から来た水は、途中で「給水管(水用)」と「給湯管(お湯用)」の二系統に分かれます。給湯管に流れた水は、給湯器で温められてから各蛇口へ送られます。つまり、水とお湯は途中まで同じ管を通りますが、最終的には別々のルートを辿って蛇口に到達するのです。この仕組みを踏まえると、原因が見えてきます。最も考えられるのが、給水管のみの凍結です。冬の寒い夜、給湯器本体やその周辺の配管は、機器の保温材や作動時の熱である程度凍結から守られていますが、分岐した後の給水管が冷気に晒されて凍ってしまうことがあります。この場合、給湯器へは水が供給されるためお湯は作れますが、蛇口へ直接向かう水のルートが氷で塞がれてしまうのです。もう一つ考えられるのが、止水栓の不具合です。シンク下や洗面台の下には、水用とお湯用の二つの止水栓が設置されていることが多く、水側の止水栓だけが何かの拍子で閉まってしまっている可能性があります。また、混合水栓内部の、水の流れを制御する部品が故障しているケースも考えられます。いずれにせよ、この現象が起きた時は、まずは給水管の凍結を疑い、気温が上がるのを待つか、慎重に解氷作業を試みましょう。それで解決しない場合は、水栓の故障も視野に入れ、管理会社や専門業者に相談するのが賢明です。