追加費用が発生する可能性のある代表的なケースをいくつかご紹介します。最も一般的なのが、既存の浴室を解体した後に問題が発見されるケースです。特に、在来工法の浴室や古いユニットバスの場合、解体してみたら壁の内部や床下の土台、柱などが湿気や水漏れによって腐食していた、あるいはシロアリの被害を受けていた、といった状況が判明することがあります。このような場合は、ユニットバスの設置前に、腐食した部分の補修や補強、シロアリ駆除といった追加工事が必要となり、その分の費用が発生します。これは解体してみないと分からない部分であるため、見積もり段階では予測が難しいことがあります。次に、給排水管や電気配線の劣化や不具合が発見された場合です。古い配管がサビや腐食で劣化しており、交換が必要だと判断されたり、電気配線の容量が不足していて、新しい設備の仕様(例えば暖房乾燥機など)に対応できないため、配線の引き直しや分電盤の改修が必要になったりするケースです。これも安全に関わる重要な部分であるため、追加費用をかけてでも対応が必要となることがあります。また、アスベスト(石綿)が使用されている場合も注意が必要です。古い建物の場合、浴室の壁材や天井材、あるいは配管の保温材などにアスベストが含まれている可能性があります。アスベストの解体・撤去作業は、専門の知識と技術、そして厳重な管理が必要となるため、通常の解体費用に加えて、高額なアスベスト除去費用が別途発生します。事前の調査で判明する場合もありますが、解体中に発見されることもあります。その他にも、搬入経路が狭く、窓から部材を搬入するためにクレーン車が必要になったり、特殊な加工が必要になったりする場合や、お客様の希望で工事期間中に仕様変更やオプション追加を行った場合なども、当然ながら追加費用が発生します。これらの追加費用発生のリスクを完全にゼロにすることは難しいですが、リフォーム会社による事前の現地調査をしっかりと行ってもらい、考えられるリスクについて説明を受けておくこと、そして、見積もりに「予備費」としてある程度の余裕を持たせておくことが、不測の事態に備える上で有効です。もし追加工事が必要になった場合は、必ず事前に内容と費用の説明を受け、納得した上で進めてもらうようにしましょう。